QOL向上をテーマにしていると、身体面だけではなくメンタルや脳という領域までありますよね。
介護予防の分野でも、認知症予防をテーマにした教室が数多くあります。
認知症と言っても、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型など種類はさまざま。
今回は、ビアマッチョがした怖い体験と共に、「若年性アルツハイマー」について紹介したいと思います。
ビアマッチョは30代のアラフォーです。
この年代になれば、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病も珍しくない。
カラダや血液だけでなく脳もまたしかり。
若年性アルツハイマーについて一緒に勉強しましょう。
ビアマッチョの体験談
それは朝のできごとでした。
ビアマッチョ宅では、ほぼほぼ朝食にみそ汁が出ます。
その日のみそ汁がいつもと違ったので、食卓につきながら「今日のみそ汁インスタント?」
何気なく質問しました。
すると不思議そうな顔をする妻と娘。
妻が口を開くと「その質問さっきもされたし、答えたよ?」
・
・
・
・
なにー!?
娘曰く、イスに座る10秒前ほどに同じ質問をしていたとのこと。
まっっっったく記憶にございません!
政治家ばりに言わせてもらいますが、本当に記憶にございませんです。
2人でドッキリを仕掛けているんじゃないかと思うくらいです。
みなさん似たような経験はありますか?
心霊現象なのかいよいよ脳に問題がでてきたのか…。
朝から真剣に悩みました。
パッと頭に浮かんだワードは「若年性アルツハイマー」。
若年性アルツハイマーを学んでいきましょう。
若年性アルツハイマー症
若年性アルツハイマーは、18~64歳ころまでに発症するアルツハイマー型の認知症を指します。
物忘れが増加して、徐々に深刻な症状につながっていくアルツハイマー症候群。
もちろん高齢者に多い病気ではあるのですが、高齢者に限ったものではないのです。
自身の両親を介護している40代、50代でも発症しますし、早いと高校生でも発症すると言われています。
東京都健康長寿医療センター研究所の調査によると、全国で約35,000人の若年性認知症者がいると言われています。
全てがアルツハイマー型ではないにしろ、この人数には少々驚きますね。
若年性アルツハイマーの原因としては、通常のものと同じく「アミロイドβタンパク質」が脳に蓄積されること、と言われています。
この物質が脳に蓄積されると、神経細胞が破壊され、思考・記憶・言動に障害が起きるとされています。
しかし、完全に解明されているわけではありません。
若年性アルツハイマーの症状
基本的には、高齢者の認知症で見られる症状と変わりありません。
いくつか紹介したいと思います。
見当識障害
日付や「自分が今どこにいるのか」などが分からなくなります。
また、家族や知り合いを別な人物と混同するというようなことがあります。
ビアマッチョの祖母は、晩年息子世代と孫世代が分からなくなっていましたし、何度も同じことを聞かれました。
離れて暮らしていたので直接そのような場面を見る機会は少なかったですが。
記憶障害
「朝ごはんを食べた」「●●を買ってきた」という行動そのものの記憶がなくなることがあります。
「何を食べたか」ではなく、食べたことそのものを忘れる、同じものをいくつも買ってしまう、などはよく聞く事例ですね。
比較的新しい記憶から薄れていくのですが、進行すると数分前のことを忘れるようになってしまう、と。
働く世代であれば、「取引先との約束を忘れてしまう」「同じ電話をかけてしまう」などのトラブルが発生します。
理解力や判断力の低下
当たり前のようにできていた計算ができなくなる、通いなれた場所や自宅がわからなくなってしまう、などの症状が見られます。
進行が進むと、接近してくる車に気が付かなくなるということもあるようです。
実行機能障害
一連の動きができなくなります。
例えば外出する際の、窓を閉める・火元を確認する・エアコンや電気を消す・玄関に鍵をかける、などが実行できなくなります。
これに関してはビアマッチョも怪しいです…。
車に乗り込んでから携帯がないのに気づいたり、家の鍵がないことに気付いたり。
ははは…は。
感情コントロールができなくなる
動物と人間の大きな違いは「理性」ですが、この理性による感情のコントロールが効かなくなってきます。
例えばいきなり喜んで手を叩いたり、急に泣き出したりと、感情の起伏に変化が見られるようになります。
その他周辺症状
上記に紹介したものは「中核症状」と呼ばれるものですが、その他「周辺症状」を呼ばれるものがあります。
家から飛び出してどこかへ行ってしまう「徘徊」や、実際には起こっていないことなどを信じ込んでしまう「妄想」(被害妄想)。
また、実際には存在しないものが見える・聞こえるといった「幻視・幻聴」、意欲をなくしてうつ状態になってしまうなどが周辺症状です。
若年性アルツハイマーチェック
冒頭で紹介したビアマッチョの体験談もそうですが、少しづつ「物忘れがひどくなってきた」ことを自覚するなど、不安になることはありますよね。
そこで、下記に群馬県検診で使用される「脳の健康度チェックリスト」を記載します。
□ 物の名前や人の名前が思い出せないことがよくある。
□ 毎日1回以上、しまい忘れがあり、探すことが多い。
□ 今日が何月何日なのか分からないときがある。
□ 朝食の内容を思い出せないことがある。
□ 計算の間違いが多い。また、勘定を間違える。
□ 元気が出ない、または仕事をやる気がしない。
□ 夜眠れないことが多い。
□ 野菜の名前を10個以上言えない。
□ 現在の総理大臣の名前を知らない。
若年性アルツハイマーは、若い分進行が早いです。
不安が残る方は、速やかに専門医を受診してみましょう。
まとめ
若年性アルツハイマー認知症の進行を遅らせるには、早期発見・早期治療がとても重要です。
ビアマッチョのように衝撃的な体験をすることはまだプラスと捉えましょう。
自分では気づかないこともあり、そうすると知らぬ間に症状が進行してしまう可能性もあります。
家族や同僚などに、最近の自身の様子を客観的に聞くのも一つの方法ですね。
完治は難しいとされていますが、生活習慣を見直したり、有酸素運動を取り入れる、また食事内容を整えることで症状の進行が緩やかになると言われています。
カラダと心の司令塔である「脳」をいつまでもよい状態に保てるよう気を付けていきましょう。
コメント