健康の3要素は「運動・栄養・休養」です。休養は「睡眠」を意味するところが大きいですね。
人生の約三分の一は眠っているといわれますが、眠れなくてイライラする夜だって時には訪れます。そんな時はどのように対処すればいいのでしょうか。
この記事を見て分かること。
眠れなくなる原因
眠れない時に寝つきが良くなる方法
いくつか紹介させていただきますので、いろいろと試していただいて自分に合った方法を見つけてくださいね。
しっかり寝ることは健康=QOL向上につながります。
睡眠の役割とは
睡眠には「脳やカラダの休養」、そして「疲労回復」、「免疫機能の向上」「記憶の固定」などの役割があります。
睡眠不足に陥ることで、筋肉の成長を促す「テストステロン」の分泌レベルが下がってしまったり、ストレスホルモンの「コルチゾール」が分泌されることで筋肉を分解してしまうなど、ボディメイクにとってのマイナス作用もあります。
また、翌日の集中力の欠如・記憶力の低下など、「脳機能の働きが悪くなる」ことは実感している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
睡眠の研究者によると最低限必要な睡眠時間は「7時間」とのことですが、個人差が大きいので自分に合った睡眠時間を確保することが大切というのは別な記事で触れました。
>>【休養】睡眠不足の悪影響について ボディメイクと睡眠不足の関係<<
「日中眠くならないかどうか」という判断基準をもとに、自分に合った睡眠時間を確保できるようにしましょう。
眠れなくなる原因は
眠れなくなる原因は、心理的なものから身体的なものまでたくさんあります。身近なもので対処可能なものはすぐに取り除いてみましょう。
生活リズムの乱れ
睡眠に関わるホルモンに「メラトニン」があります。メラトニンは「眠くなる」ホルモン。明るい時間に日の光を浴びることで日中は分泌が抑制され、夜にしっかりと分泌されるようになります。
朝、光が目に入ってから15時間前後で発生するとも言われていますので、睡眠の準備は朝から始まっているとも言えます。曇りや雨での日でも大丈夫ですので、一定の時間に起床してカーテンを開ける習慣をつけられるといいですね。
ストレス
ネガティブ思考・不安・心配事などの心理的ストレスは睡眠に大きく影響します。
「心配事の9割は起こらない」と言われています。ネガティブ思考に陥っている状況を分析すると、「あの時こうしていれば…」「もしかしたらこんな出来事が起こるかも…」など、変えられない過去や、決まっていない未来のことがほとんど。
「今この瞬間」だけに焦点を当ててみると、ほとんどの悩みや心配事はなくなるのです。
ところがいったんネガティブ思考に入ってしまうと、無限にループするかのようにグルグル悪い考えが巡ってしまいます。「早く寝ないと」という焦りもその一つ。
そんな時には思いきって割り切ってしまいましょう。今考えても解決できないものは考えない。変えられない過去にはとらわれない。
ネガティブ思考から抜け出す方法の一つとして「メタ認知」というものがあります。ネガティブ思考に陥っている自分を俯瞰的に見る方法です。
「あぁ、今こんなこと考えてしまっているんだな」「こんなことに不安を感じているんだな」など、感じている感情を無理に押し殺そうとせず、その感情ごとありのまま受け止めてあげてください。
例えば翌日の重要な会議でプレゼンをすることになり、それが原因で緊張しているとしたら、「明日は会議でプレゼンするから自分は緊張しているんだな」と、俯瞰的に事実を受け止めればいいのです。
そうすることによって乱れた感情が次第に落ち着いてきます。
外的環境やカフェインなど
就寝時の環境によっても眠れない原因は作り出されます。
室温や騒音、明かりなどが気になって眠れない時は、その原因を排除してみましょう。時計が秒針を刻む「カチッ、カチッ」という音も、普段気にならないのに寝ようとするとやけに大きく聞こえるなんてこともありますよね。
また、よく言われるスマホのブルーライトは睡眠の妨げになりますので、夜はなるべく見ないようにしましょう。
嗜好品にも気を付けるべきです。コーヒーや紅茶に含まれる「カフェイン」には、覚醒作用があります。夜に摂取すると睡眠の妨げになることがありますので、14時以降はなるべく控える、もしくは量を抑えるようにしましょう。
メリットとしては脂肪燃焼効果もありますので、運動前に摂取することは強くお勧めします。
眠れない時に寝つきが良くなる方法
睡眠の重要性は十分理解できるとはいえ、眠れない夜は誰でも経験したことがあるはず…。
寝なきゃ寝なきゃと焦るほどますます眠れなくなり、スマホをいじったり本を読んでみたり。それでもやっぱり眠れない。時計を確認すると夜明けがすぐそこまで迫っていてなおさら焦ってしまう、なんてことも。
そんなツラい夜を少しでも変えられるように、寝つきが良くなる方法を紹介します。
筋肉を弛緩させリラックスさせる
漸進的(ぜんしんてき)筋弛緩法というものがあります。
やり方はとっても簡単で、筋肉に力を入れた直後に脱力させるというだけ。そうすると、力を入れていた部位がリラックスします。
力を入れる目安としては70%程度。力を抜くときは一気に抜いて、じわ~ッとした余韻が残るくらいがベストです。
例を挙げると、握りこぶしを作って肘をまげ、力こぶを堅くするように力を入れます。
腕全体を緊張させた状態を数秒続けたら、一気に脱力し、緊張状態と弛緩した状態の違いを感じ取るようにしましょう。
また、思い切り目をつぶり、口をとがら眉毛をよせてしかめっ面をした後に、パッと顔の力を抜いて脱力する。
などなど、やり方は特に正解はありませんので、自分のやりやすいように部位ごとに「緊張」「弛緩」の幅を持たせられれば大丈夫です。
とっても簡単にできますね。
深呼吸をする
呼吸には、カラダをリラックス状態に導く力があります。
意識せずとも行われている心臓の鼓動、や内臓の動きや呼吸などには「自律神経」の働きが大きく関わっています。自律神経には、活発にカラダが動くときに優位になる「交感神経」と、リラックス時や睡眠時に優位になる「副交感神経」の2種類が存在します。
眠るためには副交感神経の働きが高まった状態にすることが大切なのですが、深呼吸、とくに腹式呼吸でそれを行うととても効果的なのです。
具体的なやり方としては、まず先に息を吐き切ってしまいましょう。体内の空気がなくなったら、お腹を膨らませるように「鼻から」大きく息を吸い込みます。
これ以上吸えなくなったら、今度は口から少しずつゆっくりと息を吐いていきます。
特に「息を吐く」タイミングに副交感神経が優位になることが知られています。吐くときには、吸った時の倍くらいの時間をかけてゆっくり息を吐きだしてくださいね。
軍隊式睡眠法
アメリカ空軍のパイロットが睡眠不足でミスを犯さないように開発された睡眠導入法だそうで、今大変注目されています。
手順は少し長くなりますが下記のとおりです。
①リラックスできる状態で横たわり、顔周りの筋肉をリラックスさせる。額や顎、目の周辺などの緊張を解く。
②肩をできるだけ低い位置まで下ろし、片方の腕の力を緩めてリラックスさせる。次に反対側の腕も同様にリラックスさせる。
③深呼吸の息を深く吐くタイミングで上半身をリラックスさせ、続いて太ももから膝下までの脚の緊張を解く。
④顔➡上半身➡下半身の順番で全身をリラックスさせたら、心を静める。そのために、次の3つのうち一つを使って実践してみる。
- 上空に青空が広がり、静かな湖に浮かべたカヌーに寝そべるイメージをする。
- 真っ暗な部屋に吊った黒いベルベットのハンモックに乗っている、心地よく温かな自分をイメージする。
- 「考えるな、考えるな、考えるな」と、10秒間何度も繰り返して言う。
カラダが温まる飲み物を飲む
午後2時以降の飲み物には、覚醒効果のあるカフェインが含まれないものを選びましょう。
カラダの中心部分、深部体温が上がることで睡眠の準備が始まります。よって、ホットミルクやハーブティーなどカラダを温めつつリラックス効果も持つような飲み物を積極的に摂取しましょう。
アロマグッズを活用する
匂いは脳にダイレクトに刺激を伝えます。アロマの効果を上手に利用することで、睡眠の導入がスムーズにいくかもしれません。
科学的にも証明されているという香りが「ラベンダー」なのです。不安感を解消して、睡眠の質を上げるということが海外の研究で証明されているそうですよ。また、カモミール・イランイラン・サンダルウッドなどは、睡眠を促してくれるアロマです。
アロマを焚くのは大変という場合には、枕にシュッと吹きかけるなど手軽にできる方法を考えてみましょう。上記のものはマスクにも使用できるスプレータイプです。
アロマの香りのするボディクリームやハンドクリームを使用するのもいいのではないでしょうか。
それでも寝れない時は、とにかく目を閉じて横になる
色々試してみてもやはり寝れない時はあるものです。そんな時は焦燥感にとらわれず、とにかく目を閉じて横になっていましょう。
ビアマッチョも神経質なタイプで、枕や場所が変わったり心配事があると眠れなくなることがしょっちゅう。
そんな私が、少なくとも眠れない焦りを感じなくなったのは、この知識を得たからでした。
- 目を閉じているだけで眼球の疲労回復効果がある。
- 横になるだけでカラダの疲労回復効果がある。
眼球の疲労回復効果
涙には、血液と同じような成分が含まれており、目を閉じることで涙が眼球全体に行きわたります。
つまり、目を閉じることで眼球が必要としている栄養分や水分を行きわたらせることができるのです。
カラダの疲労回復効果
布団に横になるだけで、リラックス効果をもたらす「副交感神経」を優位にすることが出来、疲労回復につながります。
また、横になることで内臓への血流量が2倍~3倍になると言われているため、回復は早くなるのです。
目を閉じて横になるだけで、眼球の疲労回復やカラダの疲労回復につながります。また、日常生活を送るうえで、目から入る情報は80%と言われています。目を閉じることでその情報量をシャットアウトし、脳が休まるとも考えられるでしょう。
寝つきが良くなる方法まとめ
寝つきが良くなる方法まとめです。
眠るために新しいことに取り組むことも大切ですが、寝つきが悪くなる習慣をしてしまっているのであれば、それを取り除くこともしてみましょう。
いくつか紹介させていただきましたが、筋弛緩法や深呼吸などはすぐに取り組めそうなものかと思います。しかし、「面倒だな…」、「大変だな…」、と感じながら無理にやるとそれもストレスになりますので、深く考えず簡単なものから気軽に試してみましょう。
繰り返すうちにカラダに染み付き、睡眠導入のための良いルーティンになる可能性もあります。
個人的には、やはり眠れないという焦燥感からくる負のスパイラルがやっかいな敵だと感じております。焦らず、「横になっているだけでもある程度回復する」と割り切ってしまうのもあり、逆に寝ることをあきらめて普段できないことをやるのもいいのでは。
睡眠を助けてくれるサプリなどもあります。
しかし、不眠には病気が潜んでいる可能性もありますので、無理に抱え込まずに病院に行くことも視野に入れてくださいね。
健康を支える3要素の一つ「休養=睡眠」の質を見直し、QOL向上を目指しましょう。
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