QOL=生活の質を向上させるためには健康は欠かせません。その健康の3要素は「運動・栄養・休養」の3つです。
カラダは自分が食べたものから出来ています。日々の食事の内容、その栄養バランス、ちゃんと気にして摂っていますか。余計な体脂肪、特に内臓脂肪はあらゆる生活習慣病の引き金となります。
いつまでも健康で、そしてキレイなボディラインを保つためにも、ちょっとだけ食事を見直してみませんか。
この記事を見て分かること。
- 3大栄養素の役割
- 3大栄養素の持つカロリー
- PFCバランスとは
栄養に興味を持ち、ご自身の食事を見直してみませんか?
3大栄養素の役割とカロリー
「3大栄養素」というものは聞いたことがあるはずです。「タンパク質・脂質・糖質≒炭水化物」の3つがそれにあたります。
じつは小学校ですでに習っている内容なのですが、普段よほど意識している方でないとなかなかパッと出てきませんよね。
この3大栄養素は、体内でカラダを動かすためのエネルギーに変換される物質であるためこのように呼ばれています。それぞれの役割とエネルギー(カロリー)を見ていきましょう。
タンパク質
タンパク質は、カラダを作る材料となります。人間のカラダから水分を除けばほぼタンパク質。筋肉も髪の毛も内臓もすべてタンパク質で出来ています。
口から摂取したタンパク質は一度体内で分解されますが、その後筋肉や髪の毛などカラダを構成するタンパク質に再合成されます。この分解と合成は常に繰り返されています。
常に分解と合成を繰り返しているこのタンパク質が不足してしまうと、筋肉が細くなったり肌の色つやが悪くなったりとカラダに悪影響が出てきます。
運動をたくさんする方は、運動によって筋肉のタンパク質が一般の方よりも多く分解されてしまいます。よって、何もしていない方と比較してたくさんのタンパク質を補給する必要が出てきます。
このタンパク質は、1gあたり4kcalのエネルギーを持っています。ちなみに食べる機会の多い「卵」や「納豆」には、およそ6g~7g程のタンパク質が含まれています。
糖質≒炭水化物
炭水化物は、人間の主なエネルギー源となります。車に例えるとガソリンにあたるのが炭水化物です。炭水化物と糖質は同義に扱われますが、炭水化物は、糖質+食物繊維。厳密にいうとイコールではありません。
「低糖質ダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」などが流行りましたが、上述したように「人間の主なエネルギー源」なのであまり好ましい方法とはいえません。
減量の効果は間違いなくありますが、筋肉を犠牲にしてしまう可能性が大きいです。「とにかく体重を減らしたい!」という強い意思のある方ならいいのですが、美しいボディラインを手にしたい方や健康的に痩せたいという方は避けましょう。
そんな炭水化物は、タンパク質と同様に1gあたり4kcalのエネルギーをもっています。茶碗1杯分のご飯(重さは150g程)には約55gの炭水化物が含まれています。これを換算すると220kcalほどのエネルギーとなります。
脂質
脂質は「体脂肪」とか「太る」などというイメージが定着しているので、とにかく悪者にされがち。しかし、脂質には大切な役割があるのです。
およそ37兆個もあるという人間のカラダの細胞には、それぞれを隔てる「細胞膜」というものが存在します。その細胞膜は脂質から構成されているのです。
また、カラダの調子を左右する各ホルモンの材料にもなっているのが脂質であり、女性ホルモンのエストロゲンは脂質から産生されます。「脂溶性ビタミン」と呼ばれるビタミンA、E、D、Kの吸収を促進するのも脂質の働きです。
そして嫌われている体脂肪にも、体温を保持する役割や内臓を守るための緩衝材としての役割があります。
そんな脂質は1gあたり9kcalのエネルギーをもっています。タンパク質、炭水化物と比較すると2倍以上のエネルギーをもつ優秀な栄養素なのです。
それゆえに「太りやすい」のもまた事実ではありますが、過剰に摂取しなければ大丈夫です。
PFCバランスとは
PFCバランスとは、3大栄養素のうちどの栄養素からエネルギーを得ているのかという摂取比率を指します。
タンパク質=Protein(プロテイン)、脂質=Fat(ファット)、炭水化物=Carbohydrate(カーボハイドレート)それぞれの頭文字をとって「PFCバランス」と呼ばれています。
厚生労働省が示しているPFCバランスとしては、18~49歳の男女において、
- タンパク質:13~20%
- 脂質:20~30%
- 炭水化物:50~60%
仮に1日の摂取エネルギーの目安が2000kcalだった場合
- タンパク質:260kcal(65g)~400kcal(100g) ※1g=4kcal
- 脂質:400kcal(44.4g)~600kcal(66.7g) ※1g=9kcal
- 炭水化物:1000kcal(250g)~1200kcal(300g) ※1g=4kcal
上記のようになります。
フルーツグラノーラのPFCバランス
PFCバランスの理解を深めるために、私の大好きなフルーツグラノーラ1食分のPFCバランスを計算してみましょう。
オーツ麦やドライフルーツなど、自然のものから出来ているのでスナック菓子を食べるより断然カラダにいい。牛乳やヨーグルトをかけるのはもちろんのこと、そのまま食べてもおいしいです。
こちらフルーツグラノーラの栄養成分は下記の通り。
1食分50gあたりのエネルギー | 219kcal |
タンパク質 | 4.1g(16.4kcal) |
脂質 | 7.5g(67.5kcal) |
炭水化物 | 36g(144kcal) |
タンパク質は4.1g、よってエネルギー換算すると16.4kcal、脂質は7.5gなので67.5kcal、炭水化物は36gで144kcal(※食物繊維も含めているため表示カロリーと異なります)。
それぞれの摂取比率を割り出すと、P=7.2%、F=29.7%、C=63.4%となります。
脂質の比率が高め、炭水化物は範囲をオーバーしてます。そしてタンパク質の比率が非常に低いのが分かります。では50gのフルーツグラノーラに「低脂肪乳」を200ml加えた場合で再計算してみましょう。
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低脂肪乳や無脂肪乳の特徴は、その名の通り「乳脂肪分が少ない」ことです。これによって摂取カロリーも低く抑えることが出来ます。
らくのうマザーズ低脂肪乳の栄養成分は下記の通り。
低脂肪乳+フルーツグラノーラ | ||
200mlのエネルギー | 78kcal | 297kcal |
タンパク質 | 6.2g | 10.3g(41.2kcal) |
脂質 | 1.8g | 9.3g(83.7kcal) |
炭水化物 | 9g | 45g(180kcal) |
フルールグラノーラ50gに低脂肪乳200mlを加えた場合、タンパク質は10.3gで41.2kcal、脂質は9.3gで83.7kcal、炭水化物は45gで180kcal(※食物繊維も含めているため表示カロリーと異なります)。
こちらも摂取比率を割り出すと、P=13.5%、F=27.4%、C=59.1%となります。
タンパク質が厚生労働省の基準の下限値に入り、炭水化物は範囲内に収まりました。低脂肪乳をかけたことによってPFCバランスが改善されたことが分かります。
以上のように、3大栄養素の含有量が分かれば計算自体は難しくありません。お弁当やお菓子などの商品には必ず栄養成分表が掲載されていますので、商品を手にとったら「栄養成分表を見る」。まずはここから始めて栄養に興味を持ってみましょう。
PFCバランスは絶対か
PFCバランスは絶対の指標ではありません。厚生労働省が出しているPFCバランスは、生活習慣病のリスクを抑えて健康を維持するための指標となっております。
筋肉をつけたい方、痩せたい方、逆に体重を増やしたい方などその目的によってこのバランスは変えるべきなのです。
あくまで一般論ではありますが、例えば筋トレをしている方は、体重の1.5g~2gほどのタンパク質を摂取することを推奨されています。
仮に体重50㎏の方だとすると、1日に100gほどのタンパク質を摂取する必要があり、従来のPFCバランスのまま当てはめてしまうと、摂取エネルギーは2000kcal~3077kcal/日となります。
年齢にもよりますが、体重50㎏の方の摂取エネルギー量の目安は1850kcal/日ですので、タンパク質の必要量を満たすために全体のエネルギーが過剰になってしまうのです。
難しい話になりますが、運動も含めて1日に必要なエネルギーを知り、それに合わせてPFCバランスを整える必要が出てきます。いわゆる「高タンパク低脂質」というのもそのバランスの一つです。
とはいえ、現代人は炭水化物と脂質を多く摂りすぎていて、タンパク質は不足しがちです。まずは厚生労働省が出している指標に合わせてPFCバランスを整えましょう。
まとめ
3大栄養素、それぞれの役割とエネルギー量が分かりましたね。
- タンパク質・炭水化物は1g=4kcal
- 脂質は熱量が多く、1g=9kcal
3大栄養素は、過剰に摂取しても不足しても健康を害する可能性があります。極端な食事制限や、「〇〇だけダイエット」などの偏食はなるべく行わないようにしましょう。
PFCバランスと言われてもピンとこない方も多いと思います。そんな方は、「なるべく定食に近い食事を意識する」、「揚げ物を控える」「野菜はしっかりとる」など、一般的に言われていることで出来ていない部分を修正してみましょう。
「カラダは食べたもので出来ている」
バランスの取れた食事で健康を維持し、QOL向上を目指しましょう。
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