ビアマッチョです。
「栄養」についての続きで、今回はプロテイン摂取について少し深堀したQ&Aを紹介します。
第7弾となる今回も、質問に回答してくださるのは「桑原弘樹(くわばらひろき)」さんです。
第6弾で、おススメのサプリメントは「プロテイン」という結果になりました。今回は、そのプロテインの原料である栄養素、たんぱく質の過剰摂取と、ゴールデンタイムについて!
※ゴールデンタイムというのは、たんぱく質が合成しやすい時間帯のことを指します。
Q.たんぱく質の摂りすぎは健康に悪い?
結論としては、悪いです。これはタンパク質に限らず、なんでもそうだと言えます。脂質控え目や糖質オフなど、世の中で流行っているのは、摂りすぎを是正しようというものが多いことが分かるでしょう。タンパク質は本来なかなか摂りにくい栄養素なので、自然と摂りすぎてしまう脂質や糖質などに比べて、過剰摂取のスポットライトを浴びなかっただけのことです。ただし、いま言ったように、タンパク質は不足しがちな栄養素なので、摂りすぎはよくないと思って制限してしまうと、むしろマイナスにもなりかねません。プロテインを大量に摂取するボディビルダーなどは摂りすぎる可能性はありますが、ではそもそも何故タンパク質の摂り過ぎがよくないのかというと、タンパク質に含まれるアミノ基(NH2)が、容易にアンモニア(NH3)に変わってしまうからです。アンモニアは体内で毒なので、肝臓や腎臓で分解して排泄します。その量が多いと、臓器に負担がかかるというわけです。
~後略~
結論、たんぱく質の摂りすぎは「健康に悪い」です。
なぜならたんぱく質が体内でアンモニアに変わり、分解するのに臓器に負担がかかるから、ということですね。
正直、「摂りすぎ」のラインが難しくもありますが…。
アンモニアときくと尿と結びつくかと思いますが、血液に含まれる老廃物を尿として排出するためには、腎臓のろ過機能が重要です。
過剰なたんぱく質の摂取は、腎機能を悪化させることが分かっております。
腎臓の病を抱えている方は、食事でのたんぱく質制限がかせられてますしね。
また、たんぱく質を過剰に摂取すると、単純にカロリー過多になる可能性があります。
たんぱく質は、糖質と同じく1gあたり4kcalの熱量を持っております。
トレーニングで傷ついた筋肉を修復する際などは、カラダがたんぱく質を欲しているのですが、過剰に摂取した分は体脂肪に変換されます。
ボディメイクのために摂取したたんぱく質が、かえって足を引っ張ってしまうことにもなりかねません。
目安としては、徐脂肪体重(=体重から脂肪を除いた重さ)×1.5~2gのたんぱく質が摂取できるようにするといいですね。
ビアマッチョは、食事をコントロールする時期は×2g摂取するようにしております。
海外には×4gも摂取するつわものがいるようですが、日本人がマネをして体調を崩した話を聞いたことがあります。
Q.ゴールデンタイム以外は筋合成しない?
トレーニング後から筋タンパク質の合成が上昇していくのは間違いありません。いわゆる同化が亢進している時間帯です。そのためにプロテインを吸収の早いホエイにしたり、より合成の制度をあげるためにトレーニング終了前や直後にEAAを飲んだり、トレーニング前の食事を充実させておくなど、いろいろと手を打つことになります。トレーニング直後から筋タンパク質の合成が活性化していきますが、合成が上がって30分くらいでピークを迎えてそこから徐々に下降線をたどっていきます。しかしその後も筋合成がなくなるわけではありません。同化と異化はセットですので、同化の効率が落ちていったとしても、逆に異化を抑えることができれば同化につながります。つまり仮にゴールデンタイムを過ぎたとしても、同化をさらに促進させたり、異化を抑制すれば筋合成は行われていきます。したがってゴールデンタイムに限らず、血中アミノ酸濃度をその後も高く維持していくことは筋肥大には効果的であるといえます。就寝中も血中アミノ酸濃度を高くすることはメリットがありますが、就寝前にカゼインなどを飲む場合には就寝中も内臓を働かせることになってしまいますので、できればこのタイミングに関してはEAAやグルタミンなどがおすすめかもしれません。
ゴールデンタイム以外も、たんぱく質は合成と分解を繰り返しています。
まず、合成が活発になる時間帯としては、一つはゴールデンタイムと言われるトレーニング直後。
そしてもう一つは、就寝後1時間~1時間半のノンレム睡眠(=深い睡眠)に入ったタイミングと言われております。
その時間を狙って「就寝前にプロテインを飲む」ことは実際に多くの方がしていると思います。
ただ難しいのは、桑原先生がおっしゃっているように、寝ている間に内臓が働いてしまうこと。
頭は寝ているのに、内臓が働いていることで、翌朝疲労感が抜けていない可能性があります。
ファスティングという断食ダイエットに関しては、ドリンクしか飲まずに内臓を休めることで腸の働きをよくする狙いもあります。
よってここは、実際に試してみてカラダで感じてみた方がいいと思ます。
就寝前にプロテインを飲んでみて、翌朝の疲労感を確認してみましょう。とくに問題がなければ、継続してもよいと思います。
そして、分解(=異化)を防ぐために、血中アミノ酸濃度を高く保っておくことも大切です。
具体的には、こまめに食事を摂ること。
ここはそれぞれの生活があるので工夫が必要ですが、ビアマッチョの場合は比較的自由にできるので、3食の合間にプロテインを飲む感じですね。
もちろんカロリーオーバーにならないよう、1日トータルの摂取カロリーもコントロールが必要です。
ゴールデンタイムを逃してはいけない?
そもそもゴールデンタイムとは、トレーニング直後から30分以内のこと。トレーニング中は筋肉が分解に向かっていて、終わった後一気に合成が優位になるので、そのタイミングでどんどん栄養素を入れようといった発想です。では、なぜこの考え方に疑問符がつくのか。確かにトレーニング直後は合成が上がるけど、そのスピードとタンパク質の吸収にタイムラグがあるからです。あとは、食事でしっかりタンパク質を摂ってからトレーニングする場合、食事によって摂り入れたタンパク質が運動中にアミノ酸になって体内に充満しているからゴールデンタイムは気にしなくてもいいという考え方もあるようです。その考えの場合、ゴールデンタイムよりも手前で食事を充実させたほうがいいということです。また直後のタンパク質摂取よりも一日トータルでのタンパク質摂取量が重要という見解もあります。これらの主張も正しいのですが、運動後30分以内は、身体がいろんなものを欲していて、且つ吸収効率も上がっているタイミングですので、ここで何かを入れることは理にかなっています。水分も電解質も糖質ももちろんタンパク質も必要。メリットがあるかないかで言えばあるのです。これは減量などで体脂肪を落としたい人にも当てはまります。カロリー制限をすると、筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまいます。いかにそうならず体脂肪を落とすか。そのためには、極力吸収効率のいいところでしっかりと栄養素を補充しておくこと、つまりゴールデンタイムを最大限活用することが大切になってきます。
さまざまな説はあるものの、ゴールデンタイムにたんぱく質を含めた栄養素を摂り入れるのは理にかなっている、というのが結論です。
しかし、ゴールデンタイムを逃しては「いけない」のか、と問われるとYesとはいいきれないところがあります。
ゴールデンタイムとはトレーニング後30分以内のことを指し、以前はこの30分以内にプロテインを飲みましょう、と推奨されていました。
ですが、桑原先生の回答にもあるように「タイムラグ」が問題になります。
プロテインドリンクは吸収が早いとはいえ、粒子の大きなたんぱく質をアミノ酸まで分解してから吸収が始まります。
その吸収時間は、一般的に1~2時間かかるともいわれているのです。
そうなると、トレーニング直後に摂取してもゴールデンタイムを逃していることになります。
そこで、ゴールデンタイムに血中アミノ酸が豊富にある状態を作るために、トレーニング前の食事を充実させるとか、プロテインよりもさらに吸収が早い「EAA」や「BCAA」をトレーニング直後に摂取する、ということが言われ始めたのです。
※EAA、BCAAともに必須アミノ酸なので、分解されている状態。
ビアマッチョが個人的に実践している具体的な方法は次の通りです。
トレーニング1時間前にプロテインを摂取する。
トレーニング後もプロテインを摂取する。
こちらは、「サプリメント博士」と言われている山本義徳さんが推奨している方法で、ビアマッチョもまんまマネしています。
だってとても理にかなっているんですもん。
筋トレ中に消費されるであろう糖質やたんぱく質を、吸収速度も踏まえて事前に摂取しておいて筋分解を防ぐとともに、血中アミノ酸濃度を高めておくための先手を打ちます。
そしてトレーニング直後に再度プロテインを摂取します。
ゴールデンタイムは30分以内ですが、その後もたんぱく質合成が0になるわけではございません。
先手を打っておいて、とどめにもう一手加えて長いスパンで血中アミノ酸を高めておくように意識しています。
ぜひ試してみてください。
まとめ
たんぱく質は、摂りすぎると健康に悪いことが分かりました。
しかし、そもそもが不足しがちな栄養素であるため、あまり過剰摂取は気にしなくてもよいと思います。
通常の食事で必要量を賄うのは難しいのですが、プロテインの摂取をしている方は飲み過ぎに注意しましょう。
腎臓に負担がかかるだけでなく、体脂肪の増加にもつながります。
そして「ゴールデンタイム」は確かに存在し、その時間を狙ってプロテインを摂取するメリットは大いにあります。
しかし、ゴールデンタイム以外にもたんぱく質は合成と分解を常に繰り返しているため、「分解を抑える」ことを意識することも大切。
具体的には、血液中のアミノ酸濃度を高い状態に保てるように食事面を気を付けていきましょう。
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