「オーバーリーチング」とは、負荷の高いトレーニングを比較的短期間で終える状態のこと。
オーバーリーチング状態になると、パフォーマンスがアップするという大きな見返りがあります。
アスリートにとっては一段階成長するためのステップですね。
「オーバーリーチング」と似た言葉で「オーバートレーニング」というものがあります。
また、なじみのある「超回復」というものもあるので、こちらの違いも踏まえながら解説しますね。
オーバートレーニングとは何か?
オーバートレーニングとはその名の通りオーバーにトレーニングをし過ぎてしまったことを指します。
トレーニング自体はカラダを傷つける行為。
よって、大切なのはトレーニングをしたその後の「リカバリー(回復)」なのです。
超回復という現象をご存じでしょうか。
トレーニングによって疲労がたまり、筋繊維は一時的にパフォーマンスが下がります。
ところが適切な栄養・休養をとることでおよそ48~72時間後に元の状態よりも高いパフォーマンスを発揮するレベルまで回復する…それが超回復です。
それに対し、回復を待たずにトレーニングによる負荷をかけすぎて徐々にパフォーマンスが下がってしまう現象が「オーバートレーニング」です。
オーバートレーニングの内容はとても深刻なもので、
- 疲労が回復しない
- 競技のパフォーマンスが低下
- 精神症状の発現
などが見られます。回復するには数か月~数年を要するケースもあるそう。
オーバートレーニングが原因で引退を余儀なくされたプロアスリートも少なくありません。
志が高いのは素晴らしいことですが、トレーニングのし過ぎにはリスクが隣りあわせだということを理解しましょう。
オーバーリーチングとは何か?
「オーバーリーチング」は、冒頭で述べた通り、負荷の高いトレーニングを比較的短期間で終える状態のこと。
じつはこのオーバーリーチング、オーバートレーニングと同じような初期症状があります。
初期症状とはつまり、パフォーマンスが下がり、回復が見られない状態のことです。
ゆえに見極めが難しく、オーバートレーニングに陥ってしまうことも。
オーバーリーチングは比較的短期間で回復し、その後パフォーマンスの向上がみられるということです。
イメージとしては、強化合宿トレーニングのようなもので、一気に追い込んで、グーっと回復する…、そんな感じです(笑)。
超回復も含めた分類は下記の通り。
- 超回復➡トレーニング~2、3日で回復
- オーバーリーチング➡2、3日かけて追い込む~3日程度しっかり休養し、回復
- オーバートレーニング➡パフォーマンス低下、長期の休養を余儀なくされる。
オーバーリーチングのメカニズム
オーバーリーチングのメカニズムは、実は現段階でははっきりとは解明されておりません。
なので、調査した中でもビアマッチョが一番理にかなっていると感じた内容を紹介します。
人間には、もともとホメオスタシス(恒常性)というものが備わっています。
暑い環境で汗をかく、寒さに身を震わして一定の対応を保とうする、などなど一定の体内環境を保とうとするのがホメオスタシスです。
このホメオスタシスを、意図するしないにかかわらず最大限活かしたものがオーバーリーチングです。
激しいトレーニングをした場合、神経や筋繊維の一つ一つがその負荷を覚えます。
その負荷に対して、「この負荷にどうやって適応しよう?どうやって回復しよう?」と、カラダは頑張ってくれます。
頑張って頑張って負荷に適応するために、細胞の一つ一つが最大限活性化してくれるわけですね。
最大限活性化したそのタイミングで負荷をかけるのをストップ、一転して今度はしっかりと休養や栄養を取る。
すると、反動で通常よりも栄養をたくさん取り込み、細胞をより回復させてくれ、その結果大きな見返りを生む「オーバーリーチング」に至るという訳です。
活性化する手前で負荷をかけるのをやめてしまえば見返りが小さいですし、ストップのタイミングを逃せばオーバートレーニングに至る…。
なかなか難しい判断ですよね。
海外のトップアスリートのルーティン
海外のトップアスリートのトレーニングルーティンは、週4サイクルです。
質の良いトレーニングをしたいなら、一流に習った方がよいですね。
すべてが以下のパターンに当てはまるという訳ではないですし、技術トレーニングなどもある中でのフィジカルトレーニングの一例ですが、非常に参考になると思います。
基本的な考え方として、「プッシュ(押す)動作」「プル(引く)動作」と、上半身と下半身に分類して、その組み合わせでルーティンを組みます。
組み合わせは自由ですが、一例をあげると下記の通り。
火:下半身のプッシュ&上半身のプル
水:軽めのトレーニング&ヨガやストレッチなど積極的休養
木:下半身のプル&上半身のプッシュ(※月の逆の順番)
金:上半身のプル&下半身のプッシュ(※火の逆)
土日:完全休養
具体的な種目などは、競技やパフォーマンスレベルによって変わります。
おわりに
大きくパフォーマンスを高めるために、自分自身を追い込むことは大切です。
しかし、オーバートレーニングに至るリスクも隣りあわせだということは理解しておいてください。
とはいえぶっちゃけますと、パフォーマンスを追求するアスリートには必要だと思いますが、ボディメイクを目的にしている方には必要ないと思ってます。
世界レベルで戦いたいというなら、殻を破るために必要なのかもしれませんが、それよりもコツコツと日々トレーニングを積み重ねることの方が大切じゃないかと思います。
パフォーマンスアップが目的で、しっかりと追い込みたい方は、経験豊富な信頼できるトレーナーやコーチに相談しながら上手に取り入れてみてくださいね。
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