「板チョコのような腹筋になりたい」
「半そでから覗く、引き締まったカッコいい二の腕に憧れる」
誰しもこんな思いを抱いたことはあるはず。
しかし、結論からすると部分痩せは不可能です。
これはビアマッチョが学んだ理論や経験からもそうなのですが、愛読書である『IRONMAN2022年6月号』に面白い記事が載っていたので、紹介がてら述べていきます。
細いウエストや引き締まった二の腕など、憧れるパーツってありますよね!
部分的に筋肉をつけることは可能ですが、「部分痩せ」」となると難しい…。
部分痩せについて学びましょう!
IRONMANにはたくさんのボディメイク情報が掲載されています。
理論的なものから、トップ選手の体験談まであるので、1冊持っているだけでも知識がつきますよ。
部分痩せは可能か
結論から言うと、部分痩せはできないというのが一般論です。
「超ハイレップスこそシックスパックを作る手段だ」と考えている人の多くは、腹筋種目をやり込むことで腹部の脂肪を集中的に落とせると誤解しているのかもしれない。いわゆる「部分減量」を信じているのだろう。
言ってる意味わかりますか?
マニアックな用語がたくさん出てきてますね。
「超ハイレップスこそシックスパックを作る手段だ」
⇒「たくさん回数をこなすトレーニングの仕方こそが、腹筋を割る手段だ」
という具合に訳せます。
腹筋をたくさんやればお腹周りの体脂肪を落とせると思っている方は多いですが、じつはこれについては誤りであることが示されています。
実際に行われた実験を紹介いたします。
超ハイレップスシットアップ(高回数腹筋)
1日に1000回の腹筋運動をやってもらった実験があるそうです。
被験者の属性や運動経験は不明、腹筋運動が1日だけのものか、継続して一定の期間行ったのかどうかも分からないので、実験そのものはアバウトなものです。
1000回の腹筋運動の後に、お腹周りの体脂肪がどれだけ燃焼したのかを調べた結果、腹筋の緊張度は増したものの、体脂肪の減少は見られなかったという。
テニス選手による上腕の実験
1971年にカリフォルニア大学の研究者たちが行った実験では、テニス選手を被験者にしたそうです。
テニスというと、利き手でラケットを持ちプレーをするのが競技としての特性です。
この実験でも、部分減量が可能かどうかを調べるために、被験者たちの上腕部の脂肪が測定されて比較されました。
もし部分減量が可能なら、被験者の利き手(ラケットでボールを打つ側の手)のほうが、逆の腕より体脂肪量が少ないだろうということです。
しかし、被験者の両腕の皮下脂肪量を比較したところ、差は全く見られなかったそうです。
ビアマッチョのツッコミどころとしては、なぜ「前腕」じゃないんだろう、ということですね。
上腕とは肘より上の部分のことで、力こぶや二の腕を指します。
「前腕」とは、肘から手首までのことで、ラケットを握って振り回すときというのはこちらの前腕の方がはるかに使用するのになぁ、という疑問。
まっ、とにかく上腕では脂肪に差はみられなかったということですね。
偏った筋力トレーニング
コネチカット大学の研究者たちがが行った2007年の実験では、104名もの参加者がいました。
被験者には全員、12週間(3ヵ月)の筋力トレーニングを行ってもらった。
そのトレーニングの内容は、「利き腕ではない方の腕だけをトレーニングで刺激する」というものだったようです。
プログラム開始前と12週間が経過した時点で、全被験者はMRIによって皮下脂肪量が測定され、実験前と後では、確かに皮下脂肪の減少が見られたということです。
しかし、それはトレーニングした側の腕だけではなく、両腕とも同様に脂肪が減少していたとのこと。
実験から分かること、体脂肪減少のメカニズム
3つの実験から分かることは、体脂肪の減少は全身にまんべんなく起こるということ。
なぜこのような結果になったかというと、体脂肪減少のメカニズムが関係しているからです。
体脂肪が減少するには、カラダに貯蓄されている体脂肪が分解されて、血液中に放出されるという最初の段階があります。
この放出に関しては、脂肪細胞が存在しているところ全てで行われ、例えばお腹周りだけが分解の対象になるということはないのです。
しかし、1つ目の実験を思い出していただきたいのですが、1000回の腹筋をやったら腹筋の緊張度は増したという結果になりました。
ビアマッチョの経験としても、高強度の腹筋を行った次の日は、お腹周りが引き締まっている感覚はあります。※鏡に映る腹筋も少し良くなっている。
こちらに関しては、名前を付けるなら「部分引き締め」でしょうか。
体脂肪の内側には、当然ですが筋肉があります。
トレーニングによって、その筋肉の緊張度が増すことで引き締まる。
そうすると、筋肉の外側に張り付いている体脂肪も、筋肉につられて張りが生まれるのです。
全身の体脂肪を落とそう
体脂肪の減少は全身で起こるのですから、なるべくエネルギーを効率よく消費できる運動を選びましょう。
腹筋は、カラダ全体でみるとそれほど大きな筋肉ではないので、部分痩せを狙って腹筋だけを繰り返すのはもったいないのです。
大きな筋肉と言えば、「脚」「胸」「背中」あたりが代表的です。
脚の大部分を鍛えるスクワット、胸を鍛える腕立て伏せ、背中を鍛える懸垂などを行った方が、エネルギーの消費が大きく、全身の体脂肪を落とすことにつながります。
ジムなどに行けば専用のマシンもあるので、より種目を選択しながら行えます。
さらに、体脂肪が分解されて血中に溶けてからエネルギーに変えられるという過程を考えると、筋トレをして体脂肪が分解されたら、それを有酸素運動で消費するという流れはとてもいいですね。
まとめ
体脂肪は全身まんべんなく減少するために、部分痩せは不可能ということが分かりました。
紹介した3つの実験からもそれが分かります。
よって、特定の部位を狙ってトレーニングを頑張るのではなく、全身の大きな筋肉を使用するトレーニングを選択しましょう。
しかし、部位を狙って筋肉をつけることはできます!
胸板を厚くしたい、メロン肩にしたいなどの思いがあれば、その部位の筋トレを頑張ってみましょう。
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