【運動】フレイルとは?フレイルチェックで筋力の衰えをチェックしよう

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フレイルという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

フレイルとは、Frailty(虚弱)という言葉に由来し、2014年に日本老年医学会が提唱した「老い」に対する概念です。

不自由のない、自立した健康な状態と、生活に人の手や器具の助けが必要な介護状態の中間の状態のことを指してフレイルといいます。

 

ビアマッチョ
ビアマッチョ

少子高齢化による社会保障の問題は先進国全体に広がっていますが、日本は抜きんでています。高齢化をとめることはできませんが、健康な高齢者を増やすことは一人一人の努力でできるものですよね。

 

フレイルの概念を知って、社会のために、そして自分自身やご家族のために、いつまでも健康でいられるようにしましょう。

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フレイルとは

上述の通りフレイルは、Frailty(フレイルティ)が語源となっており、日本語に訳すと「虚弱」「老衰」「脆弱」などの意味があります。

 

「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により生活機能の維持向上が可能な状態」

厚生労働省研究班による報告書

 

運動機能だけの虚弱を指すのではなく、メンタルヘルス面での虚弱の状態も指します。

また、「社会的フレイル」といって、定年退職を迎えてから社会的なつながりが乏しくなったり、地域との関りが乏しいといったことも当てはまります。

特に男性の方だと、いままでバリバリ活躍していた職域から解放された後に上手く地域になじめず、ひきこもりがちになってしまうケースが多いのです。

そうなると、このフレイルを経て要介護状態に進みやすくなってしまうのです。

しかし、フレイルに早く気づき、正しく治療や予防をすることで健康な状態に戻ることもできるのです。

フレイルの評価基準

チェックリスト

高齢者の日常生活全般の健康度を測るものとして、2006年から使用されている、厚生労働省の基本チェックリストというものがあります。

フレイルは身体機能だけではなく、メンタル面、社会的な面も含まれているため、この基本チェックリストはこれらの要素が広くカバーされているものとなっております。

 

No 質問事項 回答:〇をつける
バスや電車で一人で外出していますか 0.はい 1.いいえ
日用品の買い物をしていますか 0.はい 1.いいえ
預貯金の出し入れをしていますか 0.はい 1.いいえ
友人の家を訪ねていますか 0.はい 1.いいえ
家族や友人の相談にのっていますか 0.はい 1.いいえ
階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか 0.はい 1.いいえ
椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか 0.はい 1.いいえ
15分間位続けて歩いていますか 0.はい 1.いいえ
この1年間で転んだことがありますか 1.はい 0.いいえ
10 転倒に対する不安は大きいですか 1.はい 0.いいえ
11 6ヶ月間2~3Kg以上の体重減少はありましたか 1.はい 0.いいえ
12 身長(cm)・体重(kg)・(BMI=)※下記に詳細記述
13 半年前に比べて堅いものが食べにくくなりましたか 1.はい 0.いいえ
14 お茶や汁物等でむせることがありますか 1.はい 0.いいえ
15 口の渇きが気になりますか 1.はい 0.いいえ
16 週に1回以上は外出していますか 0.はい 1.いいえ
17 昨年と比べて外出の回数が減っていますか 1.はい 0.いいえ
18 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあるといわれますか 1.はい 0.いいえ
19 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか 0.はい 1.いいえ
20 今日は何月何日かわからない時がありますか 1.はい 0.いいえ
21 (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない 1.はい 0.いいえ
22 (ここ2週間)これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった 1.はい 0.いいえ
23 (ここ2週間)これまで楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる 1.はい 0.いいえ
24 (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない 1.はい 0.いいえ
25 (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする 1.はい 0.いいえ

※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が18.5未満の場合に該当とする。

例)身長180㎝、体重60kgの場合。60÷1.8÷1.8=18.5 BMI18.5となる。

 

はい、いいえで当てはまる回答の「1」の点数を足していき、以下の表と照らし合わせてみましょう。

項番 チェックの目的 フレイルの可能性がある点数
1~20 日常生活全般 10点以上
6~10 運動器の機能 3点以上
11~12 栄養状態 11が「はい」で、12のBMIが18.5未満の人
13~15 口腔機能 2点以上
16~17 社会的交流 16が「いいえ」の人(17も「はい」の人は要注意)
18~20 認知機能 1点以上
21~25 心理状態 2点以上

 

当てはまる項目はありましたでしょうか?

ぜひチェックしてみてください。

簡単チェック!指輪っかテスト

基本チェックりすとよりも簡易で、いつでもどこでもできるチェック方法もあります。

それが「指輪っかテスト」です。

フレイルの中でも、やはり身体的な虚弱は介護予防状態になりやすい。

筋力が低下した状態をサルコペニアと言いますが、そのサルコペニアのリスクが高いかどうかを簡単にチェックできるのが指輪っかテストです。

やり方は非常に簡単。

両手の人差し指と親指をつないで、1つの輪っかを作ります。

その輪っかを、ふくらはぎの一番太いところを囲うように作って、輪っかが余るのかどうかを見るテストです。

筋肉量が多いとふくらはぎが太いので、指先が離れてしまいます。

逆に筋肉が少なく、細いふくらはぎだと輪っかが余り隙間ができますよね。

余ってしまう方はサルコペニアの可能性が高く、進行してしまうと、介護状態になってしまうので要注意。

少し補足を加えますと、ふくらはぎの太さは遺伝によるケースもあるので一概には言えません。

ビアマッチョもちょうど輪っかとふくらはぎが同じくらいの太さです。

また、筋肉量と筋力は必ずしも比例するものではないので、細くとも強い筋力を発揮してスポーツをしている方がいる一方で、太くても立ち方・歩き方に安定感がない方もいます。

しかし、65歳を超えてきたら、指輪っかテストの結果を素直に受け止めてみましょうね。

フレイルを予防するために

健康お年寄り

フレイルは進行を食い止めることができます。

そのために社会的に環境が整えられてはいますが、大切なのは個々がどのように行動していくかということです。

予防するために気を付けるべきことを紹介しますので、チェックリストで当てはまった人は、できることから取り入れてみてください。

 

身体活動量を高める

身体活動量とは、「運動量」+「生活活動量」です。

運動は、スポーツクラブに通う・ウォーキングをする、など意図的にカラダを動かす時間を確保して行うものです。

それに対して生活活動とは、掃除・洗濯・通勤などを指します。

運動の時間を確保できる方は、ぜひその習慣を維持してください。

それが難しいという方は、「中腰で掃除機をかける」「通勤時に大股で歩く」「階段を使う」など、日常生活に工夫を加えて、活動量を増やしましょう。

厚生労働省が提唱しているのは「プラス10」運動といって、今よりも10分程度の活動量を増やしていきましょうということ。

それくらいなら簡単にできそうですよね。

 

バランスの良い食事を摂る

バランスの良い食事、特にご高齢の方の場合、筋肉の材料となる「たんぱく質」が不足しがちです。

日本全体の食事の課題は「栄養の摂りすぎ」なのですが、高齢の方や介護予防の現場になると「低栄養」の問題が大きくなります。

たんぱく質は筋肉の元となるので、この栄養素が不足するとフレイルが加速してしまう恐れが…。

1日3食摂るとしたら、朝は卵と納豆、昼は魚、夜はお肉など、必ず食事の中にたんぱく源となるおかずを加えるようにしましょう。

また、夏の暑い時などは食欲も落ちてしまうと思います。

その場合、プロテインドリンクなどを活用するのもおススメです。

プロテインというと怪しいクスリと勘違いしている方もいますが、単なる栄養素ですので年齢関係なく摂取できますよ。

 

 

口腔ケアを怠らず

加齢とともに歯が抜けたり、入れ歯になるなどで、食事がおっくうになることがあります。

そのままにしておくと、食事を摂らなくなり、低栄養の問題にもつながります。

改善できる部分は改善し、それを維持できるよう定期的にメンテナンスをして、口腔状態を良い状態に保つようにしましょう。

 

社会的なつながりをもつようにする

孫と祖父

会社だけ、家族だけ、というような限局的なつながりではなく、趣味やサークル、ボランティア、町内会の活動に積極的に参加するなど、社会とのつながりを多く持てるようにしましょう。

特に男性の場合、会社内では地位があって部下がいて、仕事を通してコミュニケーションがとれているので、孤独を感じることが少ないです。

しかし、定年を迎え慣れ親しんだ会社から離れると、今まであった人間関係が消失し、地域には溶け込めず、家に閉じこもりになる方が少なくないのです。

そうすると、外出する機会や気力そのものが失われ、身体的フレイルに進行してしまいがちに。

新しい人間関係を築くのはエネルギーを必要としますが、それが後々健康に生きるための活力になります。

いくつも所属するグループを作る必要はないので、まずは家庭以外に1か所、つながりをある場を作ってみましょう。

おわりに

元気お年寄り

フレイルを予防し、イキイキと自立した生活を送るためにも、まずは自分の状態を知るところからはじめましょう。

少子高齢化が大きな問題となっています。

個人的には、少子化が解決しない限り根本的な解決にはならないと思っていますが、それを実行するのは日本の中枢が大きな力を発揮しなければなりません。

同じく人は必ず年齢を重ねるので、今存在する人が生きていく限り高齢化も止められません。

しかし、高齢化はそれ自体が問題なのではなく、高齢化に伴う介護費・医療費の問題が大きい。

健康な高齢者が増え、高齢者の活躍する場が増えれば、社会全体がさらにイキイキしてくるのは間違いないのです。

家族のため・地域のため・そして自分自身のため、今はまだ若い方も、健康なまま年を重ねられるように、今のうちから取り組めることをしていきましょう!

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