最近転んだ経験はありますか?
介護が必要になる原因として、「骨折・転倒」が12.5%もあるという現状。
加齢とともに骨がもろくなり、うっかり転倒したことがきっかけで骨折してしまい、そのまま寝たきり、要介護…。
じつはこれ、パーセンテージがあらわす通り、非常に多いケースです。
転倒してからの対症療法では時すでに遅し。
ということで、「転ばないカラダ」を維持するために、今の自分の状態がいかがなものかチェックしてみましょう。
若いときのイメージでカラダを動かして、全然動けなかった…。
ものすごくたくさんの方に当てはまることなんです。
脳が作るイメージと現実とのギャップ。これが大きいと、思わぬケガにつながることも。
今回は、動けるカラダなのかどうか客観的に判断するテストを紹介します。
2ステップテスト
※厚生労働省の動画を掲載しております。
2ステップテストとは、その名前の通り「2歩」だけ歩くテストです。
ただ歩くだけではなく、「最大の歩幅」で歩きましょう。
「歩行能力」の測定としていますが、大股で歩くことを考えると、脚を開く「柔軟性」、それを支える「下肢筋力」、姿勢を保つ「バランス能力」が総合的に判定できます。
2、できる限り「大股」で歩き、2歩目は両足を揃えて止まります(バランスを崩してしまった場合は失敗となります)。
3、2歩分の歩幅の着地点の「つま先」までの距離を測定します。
4、2回のうち良かった記録で「歩幅(cm)÷身長(cm)=2ステップ値」を計算します。
2ステップ値は計算できましたでしょうか?
5段階評価で2以下だと転倒リスクが高まっている状態です。
- 評価1=~1.24
- 評価2=1.25~1.38
- 評価3=1.39~1.46
- 評価4=1.47~1.65
- 評価5=1.66以上
皆さんの判定はいかがでしたか?
評価が1,2になってしまった方は、下肢筋力やバランス能力を鍛えましょう。
イスを使っての片脚立ちや、前後に脚を開いて行うレッグランジなどがいいですね。
さあ、どんどん行きましょう。
座位ステッピングテスト
※厚生労働省の動画を掲載しております。
「座位ステッピングテスト」は、脚を素早く動かす敏捷性をチェックする測定です。
例えば何かにつまずいて転びそうになったとき、転倒しないようにとっさに脚が出ますか?
脚が出れば転倒を防げるかもしれないですが、もたもたしているとそのまま転んでしまいますね。
「パパっと」動く能力は、加齢とともに衰えやすいものなのです。
2、イスに浅く座り、片手はイスを、もう片方の手はストップウォッチを持ちます。
3、両足を、2本のラインの内側に置きます。
4、できるだけ早く、両足をラインの外側・内側にタッチするように動かします。
5、20秒間で、内側にタッチできた回数を計測します。
20秒間の数は数えられましたでしょうか。
内側で1回、外側で1回ではなく、内側からスタートして、内側に来た回数だけ数えますよ。
こちらも5段階評価となり、評価1,2は転倒リスクが高まっている状態です。
- 評価1=~24回
- 評価2=25回~28回
- 評価3=29回~43回
- 評価4=44回~47回
- 評価5=48回以上
ご自身の今の状態を知るためのテストですので、不正はしないでくださいね。
ちなみにビアマッチョは47回でしたので、評価4です。
途中で両足一緒に左右に動いてしまうというハプニングもありましたが…。
こちらに関しては、早くカラダを動かせる能力を見ています。
筋トレはとても大切ですが、動きとしてはゆっくりですよね?
筋トレしか行っていないと「パパっと」動く能力は失われていくのです。
よって、スピードを意識したエクササイズやスポーツなどを行うと良いでしょう。
さて、もう一つだけ。
片脚立ち上がりテスト
※厚生労働省の動画を掲載しています。
名前の通り、「片脚」で、イスから「立ち上がる」というシンプルなテストです。
正確には40cmの高さの台なのですが、一般的なイスはおおよそ40㎝ほど。
なので、ご自宅のイスを利用していただいてもそれほど問題はありません。
2、反動をつけずに立ち上がり、3秒間静止します。
左右どちらの脚も試してみてください。
どうでしょう、立ち上がれましたか。
評価はいたってシンプル
「立ち上がれたか」
「立ち上がれなかったか」
いずれかです。
立ち上がれなかった場合には転倒のリスクが高まっている状態ですのでお気を付けください。
こちらはずばりシンプルに下肢の筋力を見ています。
スクワットやテスト同様、片脚で立つ練習をすることでトレーニングになります。
「身長が高い人の方が不利じゃないか!!」
おっしゃる通りです。
イスや台の高さが同じであれば、身長が高い(というよりも足が長い)人の方が不利です。
しかし少し踏み込んで考えてみてください。
駅のイスや公園のベンチなど公共のものは、身長別に用意してくれていないですよね?
つまり、身長が高かろうが低かろうが、同じ高さのイスからしっかり立ち上がれる筋力があるかどうかが、日常生活の中のリスクとなりうるのです。
WBI(体重支持指数)
もう一つ、「WBI(体重支持指数)」というものも紹介します。
※Let’sリハより引用画像
画像はLet’sリハさんで紹介されていたものを引用しています。
様々な文献で紹介されていますが、片脚なのか両脚なのか、そしてどれくらいの高さから立ち上がれたのかで、判断しています。
片脚で40㎝から立ち上がれれば、日常生活を送るのには安心です。
高いパフォーマンスが求められる競技スポーツは、10㎝の高さから片脚で立ち上がれるくらいの筋力が求められるということですね。
チャレンジあるのみ!
おわりに
ご自宅でも簡単に行える転倒リスクの測定項目を紹介しました。
まずは自分の状態を知ることが、転倒を回避する一歩目ですし、行動変容の一歩目です。
自分の中に残る動作のイメージと実際の動きにギャップがあればあるほどリスクは高くなると思います。
正確にテストをする前に、まずは軽い気持ちでいいので自分の状態をチェックしてみましょう。
冒頭でお伝えしたように、転倒が原因で大きなケガにつながり、入院がきっかけで筋力が大幅に低下していまい、そのまま寝たきりになってしまうことが多いのです。
自分の力で日常生活を送ることのできる「健康寿命」。
これを引き延ばすことが一番大切なことです。
QOL向上を目指してファイト一発です。
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